2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

これらすべて不確かな……

新書館から出ているあとり硅子さんの作品群を読み返す。 亡くなられたことがいまだに信じられない。目の前にはお日さまに透けるようなタッチで描かれたあとりさんのコミックスが積んであって、ページをめくるごとに優しくあたたかな気持ちが伝わってきて、読…

夏の別れ

追記(8月2日): あとり硅子さんで検索していらっしゃる方が多いので、道しるべを残しておきます。新書館のサイトに掲載された訃報です。 http://www.shinshokan.co.jp/comic/topics/atori.html

読了本

『好きになるひと 高橋しん初期短編集完全版』高橋しん(小学館ビッグスピリッツコミックススペシャル、2000)。 初期作品をコミックスに収録するのに1冊ぶん丸ごと描き直すというのは珍しい。高橋しんの描くラブストーリーはちょっと甘酸っぱすぎて私は苦…

訃報

中島らもさんが亡くなったのは今朝の新聞で知ったが、あとり硅子さんが亡くなったのはさっきネットで知った。Wingsの最新号に告知が載っているそうだ。 今晩は四ツ谷の新刊を買って、『夏待ち』も読み返そうと思う。

読了本

『ポアロ登場』アガサ・クリスティー/小倉多加志訳(ハヤカワ文庫、1978)。 アニメより先に元ネタを読んでおきたいなと思って。「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」と「安マンションの謎」はこれで読めた。マープルのほうはどの本を読めばいいだろ…

NHK漬け

『アガサ・クリスティの名探偵ポワロとマープル』第3回「風変わりな遺言」。 今回はマープルのお話。メイベルはロンドンとセント・メアリ・ミードを行ったりきたりするらしい。忙しいね。私がちょっと席を外している間にマープルが登場し、戻ってきたら母が…

だらだらサンデイ

汗をだらだら流しながらイチゴのために働く。 夏になるとイチゴはさかんにランナーをのばし、その先に子苗をつける。これをポットに受けて発根させたのを新苗として来年の収穫のために育てるのだ。炎天下にぶら下げていたハンギングバスケット10個を半日陰に…

佐々木泉

『闇に棲む音 他(新耳袋より)』佐伯かよの 他(メディアファクトリーMF文庫、2001)所収「スリッパの客」「母の微笑」「バスタブの訪問者」。 『エレベーターの闇 他(新耳袋より)』永久保貴一 他(メディアファクトリーMF文庫、2002)所収「家紋」「魚湧…

かわせみ

平岩弓枝編『「御宿かわせみ」読本』(文春文庫、2003)のあと、『恋文心中』(第15巻、1993)と『八丁堀の湯屋』(第16巻、1993)にいく。 かわせみ読本は「読者が選んだベスト30」の結果と作者のコメントが楽しい。やっぱり「白萩屋敷」とか「岸和田の姫」…

読了本

『獏園 ホラー・ドラコニア少女小説集成 伍』澁澤龍彦著/山口晃絵(平凡社、2004)。 高校生のころ『高丘親王航海記』は冒頭でリタイアしてしまったが、いつか読もうと思い続けていた。この「獏園」は航海記の中の一篇だ。大きな活字にまんべんなく振り仮名…

読了本・コミックス

『春告小町 3』山口美由紀(白泉社花とゆめコミックス、2004)。 せっかく前の巻でお春といいムードになったのに、ダンナがこれほどまでに暗くて重い過去を背負っているとは。はたして大団円を迎えられるんだろうか。心配。山口さんならやってくれるのだろ…

読了本

『秘密の心臓』デイヴィッド・アーモンド/山田順子訳(東京創元社、2004)。 これを読んで思い出すのは、例えば五十嵐大介が彼の漫画のなかで繰り返し描く「この世ならぬモノが湧現する」感じ……人の世が精霊の世界にとって代わられる感じ。その象徴たる“虎”…

読了本・コミックス

『ジェラールとジャック』よしながふみ(白泉社文庫、2004)。 ビブロス版2冊が1巻にまとまって文庫化。よしなが作品のなかでも結構好きなほうだ。フランス革命を背景に持ってきているので歴史ものとしてもドラマチックで面白い。が、再読してみて「こんな…

読了本

『蹴りたい田中』田中啓文(ハヤカワ文庫、2004)。 ここまで駄洒落に奉仕しつくすのかと感心したほどだ。基本的にはしょーもないのばかりだけど、戦艦和紀とかサラダバー並だと言おうとかには思わず笑ってしまった。若い人には分からなさそうなネタだね。最…

しらたま

白玉が突然たべたくなる。そうだ冷やし汁粉を作ろう! 粉をこねるときに絹ごし豆腐を使うといいらしいと聞き、やってみた。いつも水加減で失敗するんだよな。白玉粉1袋(1.5カップ)に豆腐半丁程度、固さを見ながら豆腐をもうちょっと足す。丸めて茹でて水…

辛いがうまい

コーレーグス(島とうがらしの泡盛漬け)をスーパーで見つけ購入。 ラー油のように油っぽくなく、タバスコのように酸っぱしょっぱくもない、すっきりとした味と香りが最高に美味しい。「神さまの香辛料」と呼びたいくらいだ。辛いもの好きなので冷やし豚しゃ…

か・カ・蚊

夕方、野菜のプランターに液肥を撒いてて蚊に刺されまくる。 その数なんと24ヶ所! たかだか15分の間にだ。そのうち顔は4ヶ所……お岩さんだよこれじゃ。私はアレルギー体質で刺された跡が10円玉大に腫れるのだ。のんきに手足を露出してた私もうっかりだった…

読了本・運タロ

『《恋人たち》は眠らない』『《運命の輪》よ、まわれ!』皆川ゆか(講談社X文庫、1992-1993)。運命のタロット>第2巻、第3巻。本当に展開がとてもゆっくりだなあと実感した。他の小説だったらこの4分の1で進んでしまうだろう。でも殺人事件が起こって…

読了本・くわ太さん

『おそろしくて言えない 全2巻』桑田乃梨子(白泉社文庫、2003)。 これ面白い。霊感ゼロ少年の新名と、彼に嫌がらせすることを至上の喜びとする極道霊能少年御堂が巻き起こすドタバタ学園ラブコメディ。ノリといいテンポといい、桑田さんって少女マンガ界…

人呼んで“米痴”

佐々木泉『墨戯王べいふつ』が面白かったので北宋の書家・米ふつについて知りたくなり、少々参考文献をあさる。図書館で借りた「墨」誌のバックナンバー(第154号 2002年1・2月号)に詳しかった。漫画の米ふつはスットンキョーなおやぢだったが、史実の彼…

月代も清々しく

よしながふみの「大奥」が読みたくてメロディ8月号を買う。 いやー、時代劇好きのツボをつく破天荒な面白さだった。ふみちゃんのこういう大胆さが好きだ。だって大奥に美男三千人だよ? あと、これくらいのホモ度なら許せる……。男女比が逆転したパラレルな…

読了本・くわ太さん

桑田乃梨子まとめ読み。 『1+1=0』『一陽来福』『月刊1年2組』『蛇神さまといっしょ』と来たなかでは幽霊少女に恋をする霊感少年のお話『1+1=0』と、子持ち高校生に恋をする女子高生のお話『一陽来福』(そんじょそこらの育児マンガ顔負け)が面…

新選組!

先週からジョン・健・ヌッツオの歌うオープニングテーマに歌詞が表示されるようになった。やっぱり「いとしき“殿”はいずこに」じゃなかったのか。妙な文脈なので、おそらく「いとしき」の部分を聴き間違えているのだろうと思っていたのだが、まさか「いとし…

こんな日曜

早朝、犬の散歩のついでに選挙の投票に行く。朝7時からやってるのだ。さすがに人影もまばら。その後は暑さでだらけて一日のほとんどを寝てすごす。 『片岡護のデイリー・パスタ リストランテ・アルポルトへようこそ』(河出書房新社、2003)に触発されてお…

読了本・コミックス

『いつか夢の中で』遠藤淑子(白泉社文庫、2004)。 通販マニアの姫君と所帯じみた魔法使いのラブコメ「ぐーたら姫シリーズ」プラス読み切り5編。デビュー作「慶長スラップスティック」が面白いなあ〜。真田広之の角川映画にインスパイアされたものだろうか…

読了本

『クロイヌ家具店』大海赫(ブッキング、2004)。 冒頭のシイの木のエピソードはメルヘンちっくだけど騙されないぞ、怖い話に決まってるんだから……と身構えていると案の定どんどこ怖い方向に。イースで終わらずISS、インスと話が展開していくごとに増す怖さ…

あさがほ、ゆふがほ

朝顔(富士の桃、紅ちどり)と夕顔(赤花・白花)の種をまいたのが6月の終わり。よそのお宅じゃもう花も咲こうというのに、いいかげん遅すぎである。ホントは5月にはやっておかなきゃならなかったのにすっかり忘れていたのだ。ポットに蒔いて芽が出たのを…

読了本

『十三歳の仲人 御宿かわせみ』平岩弓枝(文藝春秋、2004)。 最新巻。後日文庫化したら第32巻ということになるのかな? 今回の影の主役はかわせみの女中、お石。武州野老沢(ところざわ)から出てきたばかりの頃は山だしの猿公とか女金太郎とか言われてい…

男たちの純情

平岩弓枝「御宿かわせみ」シリーズ、『一両二分の女』『閻魔まいり』『二十六夜待の殺人』『夜鴉おきん』『鬼の面』を読了。読んだ順番は前後したが文春文庫版の9〜13巻にあたる。 源三郎の恋が実ったのは『閻魔まいり』収録の「源三郎祝言」、宗太郎の恋が…

カッコイイ本

東京大学出版会が出している「UP」という広報誌がある。 その最新号(7月号)のリレー書評のページに豊崎由美さんの文章が載っていて驚いた。これはとてもお堅くてアジったりヤジったりとは無縁の雑誌なのだが、豊崎さんはいつもよりさらにカッとんだ調子…