読了本

蹴りたい田中田中啓文(ハヤカワ文庫、2004)。
ここまで駄洒落に奉仕しつくすのかと感心したほどだ。基本的にはしょーもないのばかりだけど、戦艦和紀とかサラダバー並だと言おうとかには思わず笑ってしまった。若い人には分からなさそうなネタだね。最後まで飽きずに読めたのはそれなりに面白かったからで、「赤い家」や「怨臭の彼方に」あたりはムリヤリ駄洒落にしなくてもいいのにと思ったくらい。でもこの拘りこそが田中啓文なのだろう。ところで色んな作家が寄せてる文章、全部フィクションだよね? 茶木賞はともかく遺稿集ってのはシャレだよね? もうどこまでがお遊びでどこまでが本気なのやら。

『《愚者》は風とともに 運命のタロット4』皆川ゆか講談社X文庫、1993)。
新キャラぞくぞく登場。個性的すぎるほどに個性的なキャラばかりなので「覚えきれないかも」というのは杞憂だった。大河兄、気になるなあ。この巻のラストの展開に唖然。なんだよぉこれ……X文庫でこんなドロドロした人間関係ありなのか。ていうか例の犯人は必然的に「彼」ってことになるのか?