男たちの純情

平岩弓枝御宿かわせみ」シリーズ、『一両二分の女』『閻魔まいり』『二十六夜待の殺人』『夜鴉おきん』『鬼の面』を読了。読んだ順番は前後したが文春文庫版の9〜13巻にあたる。
源三郎の恋が実ったのは『閻魔まいり』収録の「源三郎祝言」、宗太郎の恋が実ったのは『鬼の面』収録の「忠三郎転生」でだった。どちらもウルトラC級の超急展開なので読んでるほうはもう大変、心の中でキャーキャー叫び通しだ。
『夜鴉おきん』収録の「岸和田の姫」がとっても可愛い話で忘れがたい。犯罪も殺人も出てこない、病弱な大名のお姫様が東吾と仲良くなってお忍びで江戸の町を見物するだけの話なのだが、ほろほろと涙が出てくるのは最後の1ページに胸をうたれるから。平岩さんって本当に話の締め方が巧い。