義経

第4回「鞍馬の遮那王」。
今年の大河は、けなしたいわけではないけど正直いって退屈に思える。去年のことがあるから多少つまらなくても脱落せずに観つづけるつもりだが、テンポがスローすぎてつらい。そのゆっくりさを“間”や“余韻”とはいいがたく、緊張感が保てない。のんびりとした役者の台詞まわしもまだ板についてないのか一本調子な感じで、さらにナレーションがこれでもかと入るからドラマに同化できない。朗読劇じゃないのだから演技でやってほしい。
衣装やセットは素晴らしい出来。役者もベテランからアイドルまで取り揃えてる。しかし魅力を感じない。なんだか皆さん上品すぎるというか、キャラクターが単純で厚みがないというか。観てるこちらがたじろぐほどの強い感情を放射する人物も出てこない。松平健の弁慶はどうなのかなあ。平幹二朗後白河院はすごくいい。美輪さんの鬼一法眼はちょっと微妙だ。精神的指導者としてならともかく武術の達人に見えないのが難。
主役の義経は野性味に欠けるのはともかく、あまりに“いいこちゃん”で見ごたえがない。なんか何となく育ってるけど、内面の葛藤が見えてこない。これから大人の都合のはざまで揉まれて精神的に強い男になっていくのだろうか。滝沢くんは確かに肉体美の持ち主だが何度も脱がす演出は興ざめ。清盛を憎むことができない遮那王(の描き方もメリハリがなくてものたりない)がどう打倒平家の義経になっていくのか、今後を楽しみにしたい。