読了本

ビブリア古書堂の事件手帖 6 栞子さんと巡るさだめ/三上延
ふたたび事件の発端である太宰へと帰る。古書をめぐる人々の喜び、そして闇。前者はじつに微笑ましく、後者の深さには戦慄。今回はかなりミステリとしても手が込んでいたのではないだろうか。また血にまつわる因縁がこれでもかとばかりに込み入ってきた。いわゆる「錯綜する人間関係」というやつだ。横溝かよ。栞子と大輔にもまさかの関わりが……。たまに出てくる甘々シーンがなければ、ビターすぎて参ってしまいそう。次か、その次の巻でシリーズが終わるそうな。

鎌倉香房メモリーズ 2 (集英社オレンジ文庫)

鎌倉香房メモリーズ 2 (集英社オレンジ文庫)

鎌倉香房メモリーズ 2/阿部暁子
あれっ、2巻から読んでしまった。けどなかなか楽しめた。コバルトの作家さんらしいが、オレンジ文庫はどういうコンセプトなんだろう。とりあえず挿絵がないので落ち着いた雰囲気? 展開に意外性はあまりないものの、流れがなめらかなのと、キャラが楽しく(和にいさんが特におもろい)心理描写もよい。主人公の香乃も嫌味がなく、かわいかった。香りをかぎ分ける能力がもっと効果的に使われればいいのにな。そういう意味ではタマ子さんの話は印象に残った。

落語家、はじめました。青葉亭かりんの謎解き高座 (TO文庫)

落語家、はじめました。青葉亭かりんの謎解き高座 (TO文庫)

落語家、はじめました。青葉亭かりんの謎解き高座/伽古屋圭市
いつのまにか「TO文庫」なるレーベルができていた。そしてこちらのヒロインの名前も『鎌倉』同様、香乃だった。なぜ……。すこし文章と雰囲気がかたい感じだが、上方落語がテーマなのがちょっと面白かった。謎を落語の演目に対応させているんだけれど、そんなに無理がないのは好印象。でも落語家ならでは、っていうものがやや薄いかなぁ。かりんは落語家としてもこれからなんで、面白くなるのもこれから? でもシリーズ化はしないのかな。