読了本

六花落々

六花落々

六花落々(りっかふるふる)/西條奈加
史実をもとにした歴史小説寄りの時代もの。下総古河藩における鷹見忠常という切れ者政治家の姿を、小松尚七という殿さまの御学問相手の目を通して描く。序盤は「何故なに尚七」とあだ名されるくらい浮世ばなれした知りたがり屋さんのほのぼのストーリーだったのだが、だんだんシビアな展開が増えてシリアス化していったのは時代がそれを許さなかったから。なんだか藤沢周平の『漆の実のみのる国』をちょっと思い出させた。
雪の結晶を愛した殿様の研究成果『雪華図説』は国立国会図書館デジタルコレクションでも見られたりする。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536975