読了本

麒麟の舌を持つ男

麒麟の舌を持つ男

麒麟の舌を持つ男/田中経一
借金返済のため「最後の料理請負人」というやや胡散臭い仕事を持つ佐々木は、ある中国人から大金を積まれ不思議な依頼を請け負う。戦争を挟んだ満州の地と、現代日本とを交錯させながら埋もれた謎を追っていく歴史ミステリ。料理に関する事とはいえ、なんでもっと調査向きの人、私立探偵とかに頼まないのかなと思ってた。佐々木じゃないといけない理由があったわけね。料理の描写は思ったより「おいしそう」ではなかったけれど、展開の面白さでおつりが来た。にしても関東軍ってほんと愚か……小手先の謀略で国を動かそうとするのは砂で城を築くようなもんだ。