読了本

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口/若竹七海
じつに13年ぶりの葉村晶ものの新作長編。ゆるく見えて緻密なのがめっちゃ面白かった。やっぱり葉村晶はいいな。13年ぶりだからって同じだけ老けさせなくても、と思ったけど内面はより粘り強くタフになってた。彼女のモノローグは皮肉とユーモアにあふれていて、ピンチでもチャンスでも振れ幅があまりないのがいい。しかし相変わらず体張ってるよなー、調査は好きでもアクションが得意な訳じゃないのにねえ。恋愛色がないのも好きだ。ステファニー・プラムとかV.I.ウォーショースキーとかはそこがネックで読まなくなっちゃったんだもん。いつか晶にも信頼できるパートナーができるのに越したことはないのだが。最後のさいごまで、張られた伏線がしゅるしゅる〜と回収されていくのが気持ちよかった。ミステリ談義も楽しめて満足。