読了本

悟浄出立

悟浄出立

悟浄出立/万城目学
中国の歴史人物を新たな切り口で描いた時代もの連作短編集。表題作のネタである西遊記はフィクションだから、残りもそのまま行くのかと思ったら、趙雲項羽荊軻司馬遷とこちらは史実が題材になっていた。歴史小説の文体にしようとして文章がくどくなってる気がしたが、本人そのものに語らせるのではなくちょっとひねって脇からスポットライトを当てる感じの「法家孤憤」や「父司馬遷」はなかなか面白かった。やや説教くさいけど……。

だいじな本のみつけ方 (BOOK WITH YOU)

だいじな本のみつけ方 (BOOK WITH YOU)

だいじな本のみつけ方/大崎梢
読書好きな少年少女が、本にまつわるプチ事件を解決していく。1話目のほうが面白かったな、文庫の持ち主が判明してからもうひと山ふた山あったし。2話目も悪くないけど、後半がすこし膨らませ足りない印象。読み聞かせが生む熱気を文章で伝えるのって難しいよ。ジュブナイルでなければもう少し描き込めたのかもしれない。主人公たちまだ中学生だしね。これが高校生なら……。それにしても1話目の扉イラストはどこのストーカーかと思いきや(笑)。