読了本

レミングスの夏

レミングスの夏

レミングスの夏/竹吉優輔
少年少女がある決意のもとに決行した計画。それは市長の娘の誘拐だったのだが……。本来ならもっと重たい雰囲気になってもよかったのだろうけど、首謀者たちはまだまだ子どもだし、悪に徹しきれない心の優しさがあるから、どこか「青春の1コマ」「ひと夏の冒険」的なワクワク感が残るのだった。ネガティブな犯罪関連の描写より、スイカ割りのくだりとかハサミさんの意味が分かるところのようなポジティブなシーンにこそ作者のよさが出ている気がする。