読了本

居酒屋ぼったくり

居酒屋ぼったくり

居酒屋ぼったくり/秋川滝美
まったく波乱万丈でない現代版みをつくし料理帖……みたいな。淡々としてるけどなかなか面白かった。いい酒置いてるところがイイねえ。謎の男・要の正体はずいぶん引っ張るが続編で明らかになるのか? ギョーカイ人かなんかかと思ってたら、獣医の友人のあの態度とかなんなんだろ。どこぞの御曹司とか? 商売っ気のないヒロインはいつも自分のことは二の次で、ちょっと薄幸っぽいとこがあるんだけど(イラストだと泣きぼくろがあるし)、この先要といい感じになるのなら嬉しい。

犬たちの明治維新 ポチの誕生

犬たちの明治維新 ポチの誕生

犬たちの明治維新 ポチの誕生/仁科邦男
特定の飼い主をもたず地域犬として存在していた日本の「里犬」がどのように絶滅していったか、歴史を辿りながらその過程を追う。これ『犬の伊勢参り』の人の本か、どうりで面白いはずだわ。明治の野犬撲殺令と昭和の飼犬供出令に比べたら、生類憐みの令なんか可愛いもんだね。にしてもポチが明治以前は存在しない名前だったとは! 散らばった犬関係の史料を拾い集めるついでに猫の史料も探してきた著者が「猫の方はすぐに化けたり、祟ったりして、暮らしぶりがわかるいい史料が少ない」というのには思わず笑ってしまった。

○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

○○○○○○○○殺人事件/早坂吝
あははは、なんだこれ。表紙が超はずかしいんだけど、それすらも目くらましだったとは。「作家も客かよ」とかけっこう面白かったけど、やったもん勝ちなネタといいメタっぽいところといい、いかにもメフィスト賞らしいというか、メフィスト賞でなかったら世に出てない作品というか。しかしミステリ作家ってヘンな事考えるよな〜。