読了本

かりんとう侍

かりんとう侍

かりんとう侍/中島要
下戸で駄菓子が好き、頼りないけれどいっぽん筋の通った部屋住み青年の成長譚。なかなか面白かった。中島作品はまだデビュー作の『刀圭』しか読んだことがないのだけれど、そのときの印象より広がりというか余裕というかが生まれてる感じがしたし、心理描写に女流作家らしい丁寧さがあるもの好感が持てる。「ふらつき具合の違い」は言いえて妙だなぁ。でも後半の災害の記録を残すくだりは、さいきん他の作品でも同じような展開を読んだ気が……たまたま似てしまったのだろうけど、どの話だったか思い出せなくて気になる。

ヘンな日本美術史

ヘンな日本美術史

ヘンな日本美術史/山口晃
絵師の視点で語る日本美術史。これ『すずしろ日記』とおんなじ空気が流れてるね〜。あちらはマンガでこちらは文章なんだけど、なんかへろへろ、ふわふわしたような、どこに繋がるのかわからないような、フィーリングで考えるんだ、考えないで感じろ! みたいな雰囲気が似ている。第三章の洛中洛外図、第四章のヘンな絵へのツッコミが面白かった。あと「横顔の目の描き方」には目ウロコ!