読了本

半七捕物帳 年代版〈四〉開国と大獄で混乱の大江戸 躍る半七/岡本綺堂
話の中に異国人が登場。いよいよ江戸時代も残り少なくなってきているようだ。半七は“この世に不思議なことなどなにもない”的な合理的精神の持ち主で、たいていいつも怪異がらみの事件なのが最終的にはみな人間の仕業と判明するのだが、当たり前のように妖怪のしわざというオチがつく回もあったりするから目が点である。「勘平の死」「地蔵は踊る」「鷹のゆくえ」あたりが特に面白かった。必ずしも犯人を挙げることに拘らないのがお江戸らしい大らかさというか。