読了本

残月 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)

残月 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)

残月 みをつくし料理帖/高田郁
シリーズ8作目。しばしば胸をよぎる又次の面影に涙。又さんいないの寂しい……。しかし采女は佐兵衛に何をやったんだろ。澪だって勝負だの賭けだの、少年誌みたいなノリの争いを料理に持ち込んでるけど、それとはレベル違いの後ろ暗いこと? 采女宅での「嗅いだことのない匂い」って後でフォローがなかったけれど、何か関係が? 天満一兆庵は再建しなくていい、つる屋は出ていっていい、いよいよ澪が自分の店を持つ時がきた、って資金もあても特になさそうなんだが、翁屋の寮で太夫との会話を立ち聞きしてたのが摂津屋なら吉原出店に協力してくれたりとか? でも「いい匂いさせやがって、早く食わしやがれ」とか言われてる市井密着型のつる屋が好きなんだけどなあ。このぶんだとふきが継ぎそう? そのときは健坊を下足番に引き取ればいいよ。
今回も戯作者の先生のツンデレっぷりはよかった。鼈甲珠のくだりとか、もはや澪にとってなくてはならない人だね。小松原フェードアウト、又さんいない、佐兵衛消えた、でついに源斉先生のターン! かと思いきや、いい人すぎるのが災いしてかどんなに親切にしてもまったくフラグ成立につながらない……。一緒に船乗っても先生のカワイイ天然っぷりが際立っただけという。澪さん老け専だからなぁ……。どうでもいいけど今回「おんな」という表現がやたら目についた。澪も芳もしのぶも美緒も、果てはあさひ太夫まで「おんな」にされててちょっと笑ってしまった。