読了本

黒猫の薔薇あるいは時間飛行

黒猫の薔薇あるいは時間飛行

黒猫の薔薇あるいは時間飛行/森晶麿著、丹地陽子絵
シリーズ3作目。序盤こそ「こんな状態の付き人を半年も放置しとくなんて黒猫はサディストだなー」と思ってたけど……いや、むしろマゾなのか? 困ったノイバラが開花するのを心待ちにしつつ見守ってんのか? 「時間」がテーマとはいえ「逢えない時間が愛を育てる」をあえて実践してるかのような優雅なクーデレっぷりに、赤面しながらごろごろ転がりまわりたくなった。そーいやパフェもマチルドには食べさせてあげなかったな。あれは付き人限定の行動なんだなやっぱし。いや、面白うございました。またこれまでの中でいちばん「美」を実感した話でもあった。リディアがピアノを弾くくだりとか、美しかった……黒猫の講義も面白かったし。万葉集のおかげか、いつもより情緒的な感じがした。