読了本

いつか、君へ Boys (集英社文庫)

いつか、君へ Boys (集英社文庫)

いつか、君へ Boys/ナツイチ製作委員会編
少年(といっても小学生からハタチの子までいる)を主役にしたアンソロジーシリーズの1冊。米澤穂信の短編めあてに読んだのだけど7話ともなかなか面白かった。もうすこし爽やかな雰囲気なのかと思ってたが、好きか嫌いかは別としてほろ苦さを感じさせるものが多く、それゆえに印象深かった。特に山崎ナオコーラ「正直な子ども」の最後の一文がなんかとってもリアルだった。個人的なベストは辻村深月サイリウム」。主人公がハタチでなければねぇ。米澤さんの「913」はちょっと伏線が粗い気がしたが……(「お願い」にしろ分類にしろ)。大崎梢の成風堂シリーズに似たような話があって、あちらのほうが凝ってて面白かったとは思うものの、解決後を描かない非・親切なところ、苦みの残る後味はいかにも米澤さんらしい。