読了本
- 作者: 梶よう子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/15
- メディア: 単行本
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“福籠”、との祈りが込められてるはずの手作りの根付。鍋次郎はそこに封印されていた哀しい記憶を明らかにせずにはいられなかった……。途中から過去編に入るのだが、とたんにえげつない「いじめ」が始まって胃が痛かった。お城勤めも毎日忙しくて気が張ってたらそんなことやってる暇などない訳で。加害者たちにとっていじめは「遊びの延長」、それは子供だろうがいい大人だろうがおんなじ、というのが悩ましい。この話では負の連鎖は幸運にも断ち切れたので読後感は悪くなかった(八千代と惣吾の存在も救いだった)のだが、現実にはそうもいかないだろうと思うとさらに痛ましい。
- 作者: 村木嵐
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: 単行本
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『マルガリータ』asin:4163295100の人ですね。表紙からコミカル路線に転身したのかなと思いきや中身はそうでもなく……というかやや無理して梅吉とかに騒がせてるみたいな。だから最初は何だかかみ合わない感じがしたけれど、子どもたちのパートと勘兵衛かめ殿のパートがからみあう中盤あたりからはなかなか面白くなった。島原の乱から50年後、というあたり前作とちょっと繋がる部分もあるのかな。私も勘兵衛が帰ってくるのを待ちたい、そしてぜひシリーズ化してほしい!