読了本

炎路を行く者 守り人作品集/上橋菜穂子著、二木真希子佐竹美保
外伝中編+α。ホントに児童書ばなれしてるのに、ちゃんとしっかり児童書してる。これはとてもすごいことだと思う。子ども向けにあまく優しく適当にぼやかして書かずとも、子ども騙しを嫌ってなにもかもあからさまに書かずとも「リアルな物語」って成立するんだなと軽く驚いてしまう。しかもこういうテーマなのにぜんぜん説教臭くないし。ヒュウゴの感じた悲しみ、屈辱、疎外感、不公平感は例えば敗戦後の日本人などにもあてはまるだろうけど、近くは東日本大震災の被災者の方々も味わってる気持ちかもしれない……と思う。
ところで首に巻きつくタラムーはもうちょっと可愛らしい感じでイメージしてたんだが、本を閉じたら裏表紙にイラストがあって思わず「うわっ」と言ってしまった。