読了本

幻想電氣館

幻想電氣館

幻想電氣館/堀川アサコ
名画座「ゲルマ電氣館」はどこか普通と違う不思議な場所で……? 『幻想郵便局』asin:4062169339のスピンオフ。前作はいまひとつだったけど今回はなかなか面白かった。もともと着想とキャラ造形はいいんだもんね。女子高生スミレちゃん視点で話は進んでいくのだが、この子がまたどこかズレてる変わった子で。一応いいとこのお嬢さんで言葉遣いがていねいなのが何となく浮世離れした独特の雰囲気を醸し出している。深刻な場面でも妙にとぼけた感じになって可笑しい。あれだ、千反田える系。前作と繋がっている部分(青木さんとか真理子さんとか)もあるのでちょっと再読したくなった。

ヤマネコ号の冒険 上・下 ランサム・サーガ3/アーサー・ランサム著、神宮輝夫訳
ツバメ号とアマゾン号のクルー&フリント船長が有能な老水夫ピーター・ダックとともにスクーナ船「ヤマネコ号」で大西洋へと船出する。しつこい敵役マムシ号に追われ続ける展開は『オオバンクラブ物語』asin:4001141787 asin:4001141795と似ているけど、もっとずっとシリアスかつスペクタクルで、命の危険すら感じるほど。ハリウッドが映画化してもいいレベル。まあ私は手に汗握る冒険話よりも生活感のあるキャンプ話が好きなので、はやくつぶれソフトと大おばさんの巻が訳されないかな〜、と思ってるんだけどね。