読了本
- 作者: 木地雅映子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ファンタジーテイストが入ってたのでやや驚いたけど、主人公ゆずはいつもの木地キャラだった。……ぬーぼーとしてるのが実は仮面で、自分はこんな性格だから何にも感じてないよ〜? てな自己暗示をかけてるだけの現実逃避、というのはイタくて痛々しい。解決できないこともあるんだ、ぜんぶ背負い込まないで、置いてけぼりにして幸せになってもいいんだ、というオチも逆に清々しい。妹も全力で逃げ出すべき。逃げる気力をなくす前に。まあ、フクイチの王子様っぷりはちょっと都合よすぎじゃないかと思うが。エンタメとしてはぬるい結末ではあるものの、作者はもともと純文寄りなとこがあるからなぁ。なんとなく『鉄塔武蔵野線』の文庫バージョンを思い出させるラストだった。平松のおばちゃんが来たあとの話はぜんぶ白昼夢だと言われたら納得してしまうかも。あと枝葉は違うけれど『千と千尋の神隠し』の登場人物の年齢層を上げたらこんな感じになるかもなあと思ったり。ちなみにこの可愛いカバーの意味は終盤で判明するのにゃー。