読了本

無菌病棟より愛をこめて

無菌病棟より愛をこめて

無菌病棟より愛をこめて/加納朋子
人気ミステリ作家がまさかのノンフィクション出版。なんと2010年に急性骨髄性白血病を発症したのだそう。血液のガンである白血病は治療として化学療法と骨髄移植を行う。細かく綴られたその入院・通院生活の記録はかなり壮絶な内容で、だけどちゃんとエンタメとして読めるのはさすがだ。付記されてる弟さんの日記は読みやすい文章ではあるけど、ごくごく普通に闘病記で、それ以上でも以下でもないもんなあ。また「何なら食べられた、食べられなかった」「こうすると辛かった、楽だった」というような具体的な記録、いわゆる口コミ情報は時にとても役に立つ。同じ患者さんはそういう情報を欲しいし、意外と医学書には載ってないからだ。しかし加納さん、そーとーなオタクだったのねとびっくり! 加納さんと同じころ、私もぜんぜん違う病気で入院していたのだが、同じように『大奥』や『リリエンタール』読んでたっけなぁ、と笑ってしまった。