読了本

源氏 物の怪語り (メディアワークス文庫)

源氏 物の怪語り (メディアワークス文庫)

源氏 物の怪語り/渡瀬草一郎
源氏物語の書き手として宮中でも有名な女房、藤式部。彼女が四季折々のなかで出会う怪異をしっとりしたタッチで綴った平安幻想怪奇譚。初渡瀬作品でしたが、雰囲気があってとても面白かった。「陰陽師」風のサイキックアクションとかB級ホラー的なエグくてグロい描写があったりするのかと思ってたら、女性的な優しい視線の物語でなかなかよかった。ラストちょっともらい泣き。きれいに完結してるけど続きがないのはさみしい。こういうのもっと読みたい。

一生に一度の月 (集英社文庫)

一生に一度の月 (集英社文庫)

一生に一度の月/小松左京
SF=長編というイメージなんだけど、昔はショートショートだったんだなあ。“ばあや”のデータを直接新しい機械に移さないのはともかく、妻に中継ぎさせて当然なあたりに時代を感じた。科学が進んでも女の役割だけは変わらんのね。