きょうの一枚

water colors

water colors

池田綾子のファーストアルバム。『オトムスビ』はパソコン、これは車に入れっぱなしにしてたのだが、車のほうが圧倒的に聴いてる時間が長いからやけに愛着が湧いてしまった。ときに恥ずかしくなるほどまっすぐで、青いほどに瑞々しくて、性急でとんがったものも感じるけれど、聞き込むほどに味が出るのは今も昔も変わらないのだった。印象的なフレーズとメロディに気持ちよく聴き惚れて、何度リピートしていても飽きない。
「ひとつの願い」「飛べない鳥」「ヤサシイウタ」「eternal wind」「光の花」あたりが特に好きなんだけど、池田さんにしてはエロス香る「海と空の夢」「All of…」「Train」も面白い。全体的に恋愛色は濃く(繰り返すが、池田さんにしては、だ)昔はそーだったんだなぁとちょっと微笑ましかった。今が枯れてるわけじゃないけど、「motto motto」のキュートさはやっぱり若さゆえに醸し出されるものだろう。この歌もテンポが軽やかで好き。
前に「プリズム」は『オトムスビ』の中でも異色な印象、と書いたけれどどちらかといえば初期のカラーに近いような気がしてきた。「月」などはかなり共通した雰囲気を感じる。なんというか、どこか神秘的かつ近未来的な……。昔の気持ちを歌に乗せながら、明日への不安と希望とを溶かしこんで作ったのが「プリズム」なのかもしれない、などと想像した。