読了本

園芸家の一年

園芸家の一年

園芸をやる人なら思わず「あるある」と笑ってしまう、園芸家の生態をつぶさに描写した楽しい読み物。これはチャペックのエッセイ選集(1997年刊)からの独立新装版で、チェコ語版の翻訳。ドイツ語版の翻訳だった『園芸家12ヵ月』(中公文庫)よりも原文にそった形になっているらしい。さほど違いは感じなかったが、兄ヨゼフのユーモラスな挿絵が大きく載ってるのはよかった。植物名がもうちょっと日本の園芸家になじみのあるものになってたらよかったかも。ネムリグサはオジギソウ、ディアントゥスはダイアンサス=ナデシコ科の植物のことかな? 巻末に柳宗民さんのエッセイが載ってるのは嬉しい。いやープロだろうとアマチュアだろうと、園芸家は園芸家だなあ。