読了本

贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)

贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)

「すこし・ふしぎ」のSF短編・掌編をあつめたアンソロジー。フィニイ「愛の手紙」が読みたくて手にとった本だけど他の作品も面白くて得した。とくにSF映画を歌舞伎に見立てた批評パロ「江戸宙灼熱繰言」には大笑い。しかし「こわい驚き」と題された2編は本当に怖かった……。乱歩の「鏡地獄」は片山健のイラストが子供の頃だったらトラウマものの不気味さだし、平山夢明「托卵」は芸人の語る過去がぞっとするほど恐ろしく哀しい。瀬名さんの紹介文も優しく温かい雰囲気でいいなと思ってたら中学生くらいの読者を想定していたのだとか。