読了本・コミックス

不思議の国の千一夜(1) (講談社漫画文庫)

不思議の国の千一夜(1) (講談社漫画文庫)

不思議の国の千一夜(2) (講談社漫画文庫)

不思議の国の千一夜(2) (講談社漫画文庫)

男として育てられ女の自覚がまったくない王子セブランが、幸運を呼ぶ神馬ヘンデク=アトラタンを探して冒険の旅に出るメルヘン&ファンタジーコメディの傑作。全4巻で再文庫化するとのことだが何でまた? 嬉しいからいいけど。
小中学生の頃の私の少女まんが脳は曽祢まさこと竹本泉でできていたといっても過言ではない。いま読んでもエピソードの宝庫ですごい楽しいなあ。キャラクターも脇役までひとりひとり個性が際立ってて、セブランの叔父上たちは皆すてきだし、生意気なオルティスは憎めないし、殺し屋イアモンは登場するたびに笑えるし。セックス&ジェンダーの話題をお手玉のように軽快に操って牧歌的な面白さを醸しだしてるところも好きだ(当時としてもすごく新鮮だった)。
『不思議の国の千一夜』は曽祢作品のなかでもコメディの最高峰だけど、シリアス方面で抜きん出てるのは『魔女に白い花束を』。いまだに妹と語り継いでるほど壮絶で悲哀に満ちた物語だった。こっちも再販されないかな、いま絶版になってるみたいなので……。

イヌジニン ―犬神人― (1) (怪BOOKS)

イヌジニン ―犬神人― (1) (怪BOOKS)

「け」と呼ばれる凶悪な怪異を鎮めるために命を張る特異能力者集団「犬神人」の姿を描いた伝奇ホラーアクション。「け」や「犬神人」についてあまり説明されない(されるけれども、それらは表層的なことで本質は肌で感じ取らなければならない感じな)ところがオカルト的で非常に怖い。審神者(さにわ)のルールが分かりにくいのにシビアなところとか、怖かった……。 予兆絵を描いてる春花さんて樹の母親だよね? いったい何があったのか、知りたいけど怖い。

妖怪研究家ヨシムラ (怪COMIC)

妖怪研究家ヨシムラ (怪COMIC)

ゆるゆる妖怪ギャグ4コマ。というか5コマ。あんまり妖怪と関係ない回も多いが、それもシュールで笑えるし、妖怪色が濃いめなときは濃いめなときでなかなか。じつはこっちを先に読んでしまったため、同じ作者の「イヌジニン」でシリアスなシーンが繰り広げられていてもひょこっとギャグにスライドしそうでしばらくは落ち着かなかった。カッパのブリックの由来にちょっと泣かされた。あと芹沢教授いい。