読了本

なぜ絵版師に頼まなかったのか

なぜ絵版師に頼まなかったのか

時は明治、ひょんなことからお雇い外国人ベルツに師事することになった葛城冬馬が遭遇する事件の数々を時の世情とからめて描いたミステリ。ベルツ以外の有名外国人も多数登場する。表紙の徳利らしきものはどうみても花瓶、と首をひねってたが本文読んで納得した。なら金襴緞子の打ち掛けも着せなきゃあ。さらっと読めるが、コメディなのかシリアスなのかどっちつかずなのと、13から22にまで歳を重ねていく冬馬の内面的成長やベルツの内面的葛藤がほとんど描かれずに終るあたりがちょっと食い足りなかったかも。続編へ持ち越しなのかな?

後添え 秋山久蔵御用控11 (ベスト時代文庫)

後添え 秋山久蔵御用控11 (ベスト時代文庫)

タイトルに「すわ!」と色めき立ったが、わりとあっさりと(笑)。えー、もうちょっと悩むとか慌てるとかさー。いつもと違う久蔵の一面がのぞけるかと期待したのに。その後の描写もサクッと流したのは作者の照れなんだろうか。私がロマンス期待しすぎなんだろうか。ずっと気がかりだったこの件が解決したので、もうこのシリーズも追わなくていいかもな、と思い始めている。じゅうぶん楽しませてもらったし……。