神戸にあるフランス菓子店<ロワゾ・ドール>に突然あらわれた謎の青年。自分が誰だか分からないのに職人としての腕は一流で……。
ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア)よりも普通の小説っぽいが、そのぶん職業ものとしての面白さがきわだつ。ケーキ作りの手順を一から描いてて面白く読めるのは文章がうまいからだろう。理知的な作風であんまりスイーツスイーツしてないのも読みやすい。逆に華やかさには欠けるかもだが(表紙がそもそも……)。ミステリの要素もみられるけど、ひょっとしたらSFに転がる可能性もあったのかな?
時かけみたいに。それにしても作中のケーキがものすごく美味しそうなんですけど!!