読了本

仏像のひみつ

仏像のひみつ

続仏像のひみつ

続仏像のひみつ

とても面白かった。2005年に東京国立博物館で開かれた親子向けの展覧会がもとになっているだけあって分かりやすいし、イラストもかわいい。出来るだけ専門用語を使わない柔らかなですます調の解説もいい(『螺髪』を『パンチパーマ』で済ましちゃったり)。しかもただ正面から見るのではなく、横からお腹の厚みを比べたり、像の中を開いて見せてくれたりというサービスぶり。シンプルさがむしろ冒険的な入門書だ。これを読むだけでもずいぶん仏像のみかたが違ってくると思う。私も如来像と菩薩像の区別がつくようになった! それにしても仏像って、仏の姿そのものというより「仏はこういう姿をしてるのじゃないか」と考える人々がいたという証しでもあるんだな……。かつて信仰の対象だったものが今は美術として鑑賞される。これも時代の流れであり人の心の変化でもあるのだろう。