読了本

猫と針

猫と針

恩田陸の初戯曲。第1場、第2場は面白くなりそうだと思わせたが終盤はやっぱりいつもの恩田陸だった。雰囲気のある伏線っぽいものをいろいろ盛り込んであったのもただの雰囲気で終わったし、“主役”不在なのも狙いがよくわからなかったし……(狙いはとくになかったのだろうけれど)。最近の恩田作品って空疎だなあと思う。芝居になったのは役者の演技や何かでそれなりに残るものがあったのかもしれない。

辻斬り―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫)

辻斬り―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫)

乱れ華―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫)

乱れ華―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫)

シリーズ第4弾、第5弾。「辻斬り」の安吉おすみや「乱れ華」の美保と同じパターンの話を秋山シリーズでも読んだような。これだけ多くのシリーズをかかえてるとネタがだぶるのも仕方ないのか。久蔵がゲスト的に出てくると話が締まる感じがするのも別シリーズ立てた意味がないような。でも養生所廻り同心の神代新吾とその友である医師の小川良哲は結構いい。若い彼らが主人公の養生所を舞台にしたスピンオフなら読んでみたい気がする。