読了本

九つの、物語

九つの、物語

この人こんなに女性心理に沿って書けるなんて北村薫みたい、などと感心してたらもしかして女性作家なのか。幽霊になった兄とフツーに生活を続ける妹。美味しい料理を作ってもらい、文学作品と日々の出来事とをからめて語り合う。そんな暮らしが淡々と綴られていくので、へんなはなしだなーと途中までは思っていた。ゆきなの両親ってばよく娘をひとりで置いてったなあ……。内田百けんノラや』の抜き書きで泣きそうになった。読もう読もうと思ってるのに手に取れてない本のひとつだが、私も吉田君のように積ん読本を読破するまでは成仏したくない。