読了本

阪急電車

電車に乗ってる人々のエピソードを駅ごとに繋げていって、終点からの折り返し分は書き下ろしで単行本、とかやったら面白いよなあ（作者が）、なんて言ってちゃんと読者にも面白いもんに仕立てあげる有川浩はえらい。でも足りない、足りないよベタ甘恋愛分が！　翔子に年下だけど頼りがいのある彼氏が見つかったりとかしないのか？　ミサは親友の体育会系な兄ちゃんと幸せになるんじゃないのか？！　続編出してくれないかなあ……。今津線界隈に土地勘があるともっと楽しめるんだろうね。

埋み火―秋山久蔵御用控 (ベスト時代文庫)

空ろ蝉―秋山久蔵御用控 (ベスト時代文庫)

シリーズ第４弾、第５弾。文章はサラッとして読みやすいながら癖もそれなりにあるほうで、正直そんなにうまいとは思わないのだけどいつしかハマってしまう。ふとにじみ出る人情味（悪党には容赦しない凄みも含めて）が好きだし、映像的な見せ方がにくいほどにうまいのも気に入っている。アウトローの巣窟・八右衛門島へ浪人に化けた久蔵が潜入する「空ろ蝉」はけれん味たっぷりで、これドラマ化したら見栄えがするだろうなあと思わせる出来栄えだった。ドラマ化しないかなー。