悟は母と「庵のおんば様」のところに泊まっている。都会っ子の悟には田舎ぐらしの何もかもが珍しかったが、それ以上に庵はとても不思議な場所で……。第3回新潮エンターテインメント大賞受賞作。
宮部みゆきが推したのも納得の癒しと回復の物語。もっと汚くえげつなく描き込むこともできるし、神秘的な部分は必ずしも必要じゃなさそうな……とも思うけど、前向きに終わってくれて満足。途中で話が不隠な方向に行きかけたときは焦ったが、悟が真の父親を怒鳴ったとこは胸がスカッとした。
ニューヨークから親友の
ジーナが遊びにきた。ともにカリフォルニアの夏を楽しく過ごすはずが、スーズはまたしても幽霊がらみの事件に巻き込まれてしまう。今回は死んでるより生きてる人間のほうがもっと怖い、ってな結末でちょっと異色な感じ。それとやっぱり物語が本格的に動き出すのは次の巻からだなあ。シリーズの最後まで読み終わってる身からすると、
ジェシーについての伏線にはなかなか唸らされるものがある。