読了本

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

骨董品屋「雅蘭堂」を舞台にした連作ミステリ。面白かった。骨董の世界は意外とシビアでほとんど狐と狸の化かしあいだが、肩のこらない雰囲気で駆け引きを楽しめるのは店主・越名のキャラのおかげだろう。抜け目がないようでどこか抜けてる気の置けなさがいい。根は悪い子じゃなくてもちょっと倫理観に欠けるバイト店員・安積にはヒヤヒヤさせられるけど、彼女のやんちゃのおかげで災い転じて福となることも多く、さしずめ我蘭堂のやくざな守護天使だ。こんな子を置いとくなんてやっぱり店主が目利きなのかも。