ふたりでちょうどはんぶんずつ。もとは「
ジャポニカ自由帳」というサークルの同人誌として発表されたものらしい。こういうのはいいですね。他の作家・作品でも実現するといいな。なにげない日常のひとこまを切り取ってみせているのだが、
小坂俊史のユーモアとペーソス、
重野なおきの可愛らしさと切なさ、どちらもしみじみ胸にしみる。小坂編では「女子旅に出る＃１、＃２」「足跡読み」、重野編では「スタンプ」「君に幸あれ」がよかった。「君に幸あれ」はとくに心をぎゅっとつかまれるような思いがした。
「嗚呼男意気」にはやられた。すっかり騙されちゃった。さいきん新刊書店にはすっかりご無沙汰だ。ほとんど雑誌買いにいくばかり。夏目さんみたいな書店員の差した棚なら定期的に見に行きたいけど、近所のはもうげんなりさせられるだけ。でもそれは古本屋、
新古書店も同じだ。棚や台における「芸」は急速に廃れつつあるのを感じている。昔は２時間くらい平気で入りびたり回遊してたものだが、なじみの店は次々つぶれていってしまった。満足のいく情報がブログなどで入手できるようになったのも大きい。書店での情報発信は万人向けなだけに薄いので……。
