読了本

遠まわりする雛

遠まわりする雛

古典部シリーズ短編集。事件もさりながらキャラの内面を掘り下げることにもかなりポイントが置かれてた気がする。でも里志にせよホータローにせよはっきりとは書かれてないもんだから、読んでるこっちは身をよじりたくなる。とくにあのラスト! こういうことなんだろかと頭の中でぼんやり考えられはしても、言葉にすると不粋なようで、また意味がずれてしまうようで憚られるのだが……純粋であるべき思いにわずかでも打算をまじえたくなかった……のかな? うわー、我ながら書いてるそばから顔が赤らんでごろごろ転がりたくなるほど甘々な“理由”だなー! でもそこがいいのだ。ひとつくらいビターでない、ふわふわハッピーなのが米澤作品にあってもいいじゃないかと。小市民はまだどう転ぶのかわからないけどさ。