読了本

魔の沼 (fukkan.com)

魔の沼 (fukkan.com)

オレンジ党、海へ (fukkan.com)

オレンジ党、海へ (fukkan.com)

オレンジ党の子供たちの活躍を描いた「三つの魔法」第二部、第三部。けっして陽性の物語ではないのだけど、かといって虚無的でもない。そこに惹かれる。願わくば子どものときに出会いたかった。源先生は期待通り、怪しい雰囲気をまとって大言壮語をかましときながらあっけなくやられちゃったり尻尾巻いて逃げたりと萌えどころをたくさんお持ちのキャラだった。物語はいちおうの結末がついてるとはいえ、あかされてない謎もたくさん残っていて想像力をかきたてる。林マリの挿絵も雰囲気があっていい。
さてここからは「電脳コイル」のネタバレになる。霧や影、地蔵や鳥居(これは鳥の王と関係があるんだろうが)などがまたも「電脳コイル」を思い出させるわけだけれど(勝負どころで髪がほどけるシーンまであった)、ヤサコが夢に見た空間がオレンジ党シリーズのエッセンスを秘めたような懐かしさに満ちていたのは、年代的にも重なり合うオジジの原風景でもあるからなんだろうな。子供を癒す場所を作ろうと思ったら自分の少年時代をもとにするのが自然ななりゆきだろうから。