読了本

闇の中のオレンジ (fukkan.com)

闇の中のオレンジ (fukkan.com)

オレンジ党と黒い釜 (fukkan.com)

オレンジ党と黒い釜 (fukkan.com)

先ごろブッキングから復刊された名作「三つの魔法」三部作。いま読むと「電脳コイル」を彷彿させてますます面白い! まるでセピア色とサイバー要素のない電脳コイルのよう。ガジェットやアイディアもここからさまざま借りられているような気がする。オレンジの党員バッジや転校生としてやってくる少女、指から発せられる光線、同じ名前を持っているのは偶然ではない、というところなんかもよく似ていて、嬉しさにどきどきする。監督は子どもの頃、このオレンジ党シリーズのファンだったんじゃないだろうか。
「闇の中のオレンジ」は連作短編集というか、細切れなイメージの奔流を集めた作品集のような印象だけど、気づいたらいつのまにか異界につれてかれてるような感じに襲われて背筋がものすごくぞくぞくする。表題作は「オレンジ党と黒い釜」から続く三部作の“発端を用意する物語”となっているが、設定などは微妙にずれがあるような(いつか繋がるのか?)。が、そのずれすらもが謎めいた妖しさを醸し出していていいのだ。それにしても雰囲気が大人になった猫目っぽい源先生がすごく気になる……敵なのか味方なのか?