こじんまりとしてくつろげる雰囲気のフレンチレストラン“ビストロ パ・マル”。料理の腕もさることながら、シェフの三舟はお客さまが持ちこむ日常のささいな謎を解きあかす名人だった……。ものすごーくおなかの減る話。あああよだれが! うまそう! シェフを中心にスタッフの息も合っていて気持ちのよい連作短編集。脳内コミカライズは
よしながふみがぴったりはまり、たいへん愉しく読んだ。続きが出るとよいな。
主婦探偵ジェーン・シリーズ第2作。十年も会ってなかった大金持ちの友人がクリスマスをともに過ごすためにやってきた。気のいい母親に似ず性格に大いに問題のある息子をつれて――。前作に続き日常のこまごまとした描写、例えばバザーに出される品物を値付けするくだりや学校主催のコンサートの様子などがとても面白かった。ミステリ的にはけっこう見え透いているような、と油断していたらラストでびっくり。さすが。