読了本

いっぺんさん

いっぺんさん

短編集。表題作には思わず泣かされたが、あとは昭和を感じさせるもっさりした怪談が続くのみでちょっと退屈ではあった。「逆井水」「蛇霊憑き」は何もかもがありきたりだったし、「山からくるもの」以降も出だしは面白そうなのにオチが弱いというかオチてないというかなのががっかりだった。実話系の心霊体験談ならこんな感じでしまりもひねりもなく終わるのはありだろうけど……。「八十八姫」のハートウォーミングな結末には唖然としてしまったのだが、もともとこういう作風の人なんだったらしょうがないのかなあ。