読了本

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

やられた……途中まで話がどこに転がっていくのかぜんぜん見えなかったんだけど。辻村作品っていつもスラーッと話が進んでくように見せかけといて最後にどかんとひっくり返してくれるんだよなあ。それが鮮やかに決まれば決まるほど気持ちいい。天才肌の人間が変人と紙一重なのはよくあること、と軽く流してた奇行のかずかずがそう繋がるとは。あしながおじさん的な最終章には読んでるこちらの感情をも揺さぶり奮い立たせる力があった。ほんと、小説ってすごいね。それとは別に、環が鼓動チカラについて語る上巻170ページあたりからのくだりにも激しく共感してしまった。何で私が思ってたことが書いてあるの? みたいな。