読了本・コミックス

白いバラの乙女 (フラワーコミックス)

白いバラの乙女 (フラワーコミックス)

ミッション系お嬢様学校ほどダークなのに清らかな閉じた世界はない。誰もが何不自由なく育ちながら満ち足りていない……。十代の少女たちだけが持つ居たたまれなくなるほどの痛さ、ナチュラルな残酷さ、甘酸っぱさ、眩しさが一冊の中に凝縮されている。現実離れしてないわけじゃないが今回はファンタジー要素はなし。江平さんは話がシリアスになるほど面白いものを描くなあと思った。

おゆらの方が思ってたより幼いというか無垢というか、ちょっと可愛いすぎる感じ。もっと凄みが欲しいなあ。悪女の香りぷんぷんな妖艶さを漂わせてくれないと、堀の女たちと印象があまり変わらないし、原作でのあのラストが活きないのではないかと危惧。

一億年の封印 (マーガレットコミックス)

一億年の封印 (マーガレットコミックス)

ワイルド・グリーン (マーガレットコミックス)

ワイルド・グリーン (マーガレットコミックス)

山内規子さんという漫画家はいままで知らなかったのだが、もっと前に知っておけばよかった。絶版の本がなかなか手に入らない……。何と言ってもストーリーがしっかりしていて面白い。夢路行さんなんかと系統が似ているかも。あともし小野不由美さんが少女誌で漫画かいてたらこんな感じかも、とか思うんだけど。怪談チックな「真夜中のルームメイト」はホント怖かった。そして「彼女と犬の運命論」に泣かされた……。早いとこ既刊を集めよう。でもって絶版のは文庫でもいいから再版されてほしいし、単行本未収録作品もコミックス化してほしい!