読了本

鹿男あをによし

鹿男あをによし

奈良を舞台に人と神の使いが入り乱れての大騒動。のっけからずいぶんと不隠な雲行きで、どこか夏目漱石の「坊ちゃん」めいた展開でもあったのが、いつのまにか和風ローファンタジーに化けた。試合のシーンや終盤までにいろいろ辻褄があうのは面白かったけど、出来は「鴨川ホルモー」のほうが上か。どこか垢抜けないのんびりもっさりした雰囲気は奈良らしいといえるかも。相変わらず登場人物たちは標準語なのだが。