読了本

蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

清朝のぐらぐらな屋台骨を支えていた人物がひとりふたりと去っていき、あとどれだけ持ちこたえられるかが危ぶまれてる情勢を外国人記者たちが俯瞰的に分析していく。ハードカバーで読んだときは香港返還前だったが、かなりびっくりした。春児と文秀もそれぞれの立場で踏ん張ってはいるものの、もはや明日の予想もつかない状態。順桂は、王逸はどう動く? 冒頭の復生によるプロポーズ大作戦は楽しかったのに、玲玲の幸せな未来なんてもう思い描けない……。

中庭の出来事

中庭の出来事

つまらなくはないがとくに面白くもなく。芝居の台本ふうに台詞中心で構成されているのだけど、その台詞がとても空疎な印象。舞台で上演されたなら役者の魅力も加わって独特の雰囲気が醸しだされたかもしれないが。似たような場面や台詞が繰り返し現れるのもくどかった。なんだか間違い探しをやらされてるみたいで。まとめる努力を放棄したかのようなラストは嫌いじゃなかったが、こう、全体的にキレがないんだよなあ。