読了本

嫁洗い池 (創元推理文庫)

嫁洗い池 (創元推理文庫)

「ミミズクとオリーブ」の続編、シリーズ第2弾。おいしい料理に舌鼓をうちながらのおかしな問答と、結構どぎつい事件の謎解きとがほどよく混ざりあっていて面白い。主人公が血ゲロを吐いて友人の医者にみてもらうシーンは傑作だった。「お前、もう帰れ」とか言われちゃうの。ミステリ的にはだんだん苦しくなってきた気がするが(河田警部、奥さんに相談しに来すぎ)パターンを楽しむものだと思えばいいか。喜国さんの解説も悪くはなかったが、やっぱ芦原さんは会話書くの上手いねえ。

シリーズ2作目。語り口はほのぼのなのに内容は割と社会派というかスリリングというか。重が悪いやつらにマークされちゃったけど大丈夫なのかな……ジョン平の能力や父親の過去が今後の鍵になりそうな。三葉にまつわる謎はあまり意外でなかったので前作のときのような驚きはなかったけれども、Mボールスタジアムで重がやったどこか間の抜けた悠長な撃退方法には思わず笑ってしまった。スプレーじゃだめなのか? 寧先生好きなので復帰が嬉しい。