2007-02-19 読了本 海坂藩大全 上作者: 藤沢周平出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る海坂藩ものの短編をあつめたアンソロジーというのは今までありそうでなかった。文庫で出してくれればよかったのにとも思うが、近年再評価いちじるしい藤沢作品はハードカバーでも売れるのだろう。どれも粒ぞろいの面白さだった。藤沢さんは短編もうまいと感心することしきり。悲哀に満ちた結末になるものはとことん悲しくて心を揺さぶられるが、「遠方より来たる」や「小鶴」のようなちょっとユーモラスでしみじみとした終り方の話は忘れがたく胸に残る。「竹光始末」の夫婦は可愛かったな。