読了本

下は文庫版。時代劇ファンの間で名前も分からないまま顔を覚えられ親しまれてきた名斬られ役・福本さんの取材録。私も子どもの頃から立ち回りのなかに福本さんを見つけては「また出てきた!」と喜んだものだ。聞き書きとしてインタビュアーが黒子に徹しているのは出来るだけ福本さんの肉声を伝えたかったからなのだろう。シャイで謙虚で冗談好きで気配り屋な性格が文章のなかからにじみ出てくる。オフレコのつもりで話した「こんな立ち回りはアカンがな」のくだりが特に印象深い。面白い時代劇、これからも作られると良いよねぇ。