読了本・コミックス

新装版 ガウガウわー太 (1) (IDコミックス REXコミックス)

新装版 ガウガウわー太 (1) (IDコミックス REXコミックス)

犬好きのくせにこの作品を今のいままで知らなかったとは不覚。コミックバンチで連載していたらしい。バンチって劇画誌だとばかり……。古武士の風格ただよう老犬・わー太に咬まれたことによって相手の動物の言葉が分かる力が目覚めた太助少年。実は狛犬とお稲荷さんの血を引いており(運命の出会いシーンには吹きだした)その能力によって多くの動物たちと深く関わっていくのだが、わー太の飼い主みさと先輩への想いだけは相変わらず空回りしっぱなしなのが何とも。動物病院が舞台なだけに安易なペットブームへの警鐘的なテーマも盛り込んであって、ただの可愛いアニマルラブコメに終わらないがっつりした読み応えが堪能できる。新装版が全7巻、さらに続編が連載中。これからどんな展開が待っているのかとても楽しみだ。

泣く侍 1 (SPコミックス)

泣く侍 1 (SPコミックス)

北九州のとある藩。藩主暗殺をもくろみ姉一家を惨殺したうえ姪をさらって逃亡したかどで追われている侍がいた。罪を着せられたまま闇に葬られようとする真実を抱いて江戸へとひた走る物辺と沙絵。容赦のない追っ手に狩りたてられた物辺が剣をふるうとき、その頬は憤怒の涙に濡れる……。筋はわりとシンプルだけど息詰まる展開と絵の迫力が凄い。さらにキャラが濃い。とくに顔を般若心経で覆面した討手・伊藤には物辺との過去の因縁を含め魅入られたような気分になってしまう。どうころんでもハッピーエンドはないだろうけど、これは続きが気になるな。

バタフライ 5 (バーズコミックススペシャル)

バタフライ 5 (バーズコミックススペシャル)

完結。煙に巻かれた感じ……というか、作者の伝えたいことがうまく読み取れない感じがしてもどかしい。最後のほうはずいぶん駆け足じゃなかった? 上羽の両親の登場もいささか唐突な印象で。銀次が良くも悪くも単純な性格で内面の葛藤があんまりないものだから、ええっそんなにあっさりと!? と読んでてとまどってしまう(とくにラスト)。こういうドライさが相川さんの持ち味でもあるんだが、題材がウエットだから描写が軽すぎるように思えてしまうのかもしれない。