読了本・コミックス

ベルセルク (31) (Jets comics (267))

ベルセルク (31) (Jets comics (267))

最近の展開って少年誌みたい。どんだけアクションが派手でも、昔の尖ってギラギラした雰囲気はどこかへ消えてしまった。そりゃシールケが陵辱されるエログロ展開なんてのはぜんぜん望んでないけどさ(キャスカだけでもう充分。未だにトラウマ)。なんかね、RPGゲームでパーティが協力しあって戦ってるようなシーンだけがえんえん続いて、つぎつぎ投入される敵の強さはすでにインフレ気味で。なのに話はちっとも進んでないんだもの。もう戦闘はいいよ……パックの故郷で休養しようぜって話はどうなったんだよ。まあシールケが炎の車輪を召喚するシーンは見ごたえがあったけれど。

ハーレクインのコミック化。作者はヒストリカル初挑戦だそうだが、JETのくどいほどにアクの強い絵柄は時代物にこそ似合うと思う(十兵衛紅変化を描いてた頃はかなり好きだった)。書影だけでは中身がどんな風か判断できないが、裏表紙にはなかなかいい感じの描き下ろしイラストが掲載されている。しかしカップルがヨットクルージングを楽しんでるかのような表紙イラストは何なんだろな、どういう購買層にうったえかけようとしてるんだろ。むしろ表紙と中身のギャップに買った人が戸惑うのでは。
イングランドの荘園を襲ったバイキングに略奪されたレディの波乱万丈な恋物語。幼い頃に北欧神話を本で読んでた、というのは時代考証的にちょっと疑問が残る。10世紀初頭だよね? 個人的にはロリークよりもトロルフ、トロルフよりも鉤鼻のオルンのほうが好みなんだが、ヒーローそっちのけで爺さんによろめくヒロインなんてハーレクインではありえないだろな。イヴェーンの大事なことって何? 愛の言葉も誓いもなく、式がおざなりに済まされたのが嫌なの? 心が惹かれあってんだから形なんかいいじゃん……等々、どうしてもいろいろ引っかかってしまうのだが続きは気になるので2巻も読みます。2巻で完結?