読了本

恋のドレスと薔薇のデビュタント ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)

おお、ふたりの仲がけっこう進展しているぞ！？　でもここからが前途多難だよね……。２巻目は物語が少々間延びして感じられたけど、この巻は展開が引き締まってて飽きさせなかった。心理描写は細やかに、ドレスの描写は華やかに。ファニーの青いドレスのくだりはおしゃれに興味が薄い私が読んでも心が浮き立ったほど。それにしてもイラストレーターあきさんの挿絵のなんと素敵なことか。雰囲気があってとてもいい。ラストのクリスにはしばらく目が離れなかった。パメラにぶたれてきょとんとしてるシャーロックも可愛い〜。クリス以外に闇のドレスの気配を感じ取れるらしい存在、メイドのノラは物語にからんでくるのかと思ってたがこのままフェードアウト？

新耳袋 第一夜 現代百物語 (角川文庫)

先日読んだ<第６夜>が面白かったので最初から読み始める。さまざまな怪異体験談をあつめた現代百物語、第１夜は「怖がらせるための演出をしていない（あとがきより）」とはいえ第６夜にくらべるとまだまだ芝居っ気の抜けていない、どこか作為的なところのある文章に感じられた。回を重ねるごとにより自然で、また真実味のこもった文章になっていったのではないかと思う。恐怖というプリミティブな感情を味わいたいというよりも、その時この感情をどう扱ったらいいのか、どう対処するべきかを考えたいというのがこの書を読む私の目的である。